今さら聞けないコーヒーの品種 “20種” についてまとめてみました

皆さんはコーヒーの品種についてどのくらいご存じですか?

有名なもので言うと、ティピカ・ブルボン・ゲイシャなどでしょうか。今回は、ティピカから派生した品種や、あまり知られていない品種など合計20種類をご紹介します。

カフェでのオーダーの際や、仕入れの際に参考にしてみてください。

この記事で分かること

・品種が変わることで味に影響が出るのか
・コーヒーの品種20種について
・原種であるエアルームとは

目次

品種の違いがもたらす影響とは?

コーヒーを国ごとに、「エチオピア」「ブラジル」「コロンビア」という具合で選んでいる方も多いと思います。では、品種とはどういう違いをもたらすのでしょうか?

お米で例えるなら、「コシヒカリ」「こしいぶき」というのが品種になります。コシヒカリは、お米の中でも甘味が強くてもっちりした触感が楽しめるのが特徴というように、品種が違うなら味わいや個性が全く別物になります。また、新潟県産コシヒカリと、千葉県産コシヒカリでは味わいは分かってきますし、個性も少し違いが見られます。

これがコーヒーでも同じことが起こります。

つまり、エチオピアで生産されたなんという品種なのかで味わいは変わり、同じ品種だとしても国が違えば育てる環境も違うので出来上がる味わいも変わってくるということです。

それでは、品種について見ていきましょう。

代表する品種20種

①サルチモール

■起源:ビジャサルチ×ハイブリッド・デ・ティモール
■生産国:コスタリカ、インド
■味わいの特徴:特に目立った特徴はない

味わいに特徴がなくとも病気に強いなどの理由で生まれる品種もあるようですね

②ハイブリッド・デ・ティモール

■起源:コフィア・アラビカ×コフィア・カネフォーラ
■生産国:インドネシア
■味わいの特徴:ロブスタ種の遺伝子を受け継いでいるので、香りや味わいはあまり評価が高くない

ロブスタ種が入っているとアラビカのようなクオリティは難しいようですね

③カティモール

■起源:ハイブリッド・デ・ティモール×カトゥーラ
■生産国:中央アメリカ・南アメリカ
■味わいの特徴:クオリティはあまりよくない

生産性がよく、エスプレッソ用に栽培されたりしているようですね

④ブルーマウンテン

■起源:ティピカと別の品種から生まれた品種
■生産国:ジャマイカ・ハワイ・ケニア西部
■味わいの特徴:非常にまろやか

ブルーマウンテンがティピカから生まれていたのはびっくりでした。日本でも少し高齢の方にはウケが良い品種ですね。

⑤マラゴジッペ

■起源:ティピカからの突然変異、ブラジルのマラゴジッペ地方で発見
■生産国:グアテマラ・ブラジル
■味わいの特徴:甘味がありフルーティ

大粒の品種で、樹木の背も高いため収穫が少し難しいそうです。

⑥ケント

■起源:インドで発見された品種、ティピカと別の品種の雑種
■生産国:インド・タンザニア
■味わいの特徴:ほんのりとした酸味・まろやか

インドやタンザニアなどがメインで栽培されている品種もあるのですね、見つけたら飲んでみたいものですね。

⑦カトゥアイ

■起源:ムンド・ノーボ×イエローカトゥーラの人工交配種、ブラジルで生まれる
■生産国:ブラジル・中央アフリカ
■味わいの特徴:スタンダード

アフリカの方メインで生産されている品種で生産性も良く、風や悪天候にも強いようです。

⑧ブルボン

■起源:ティピカからの突然変異種、レユニオン島原産(フランス革命前はブルボン島)
■生産国:ほとんどの生産国
■味わいの特徴:繊細で甘味のある味わい・ライトボディ

非常にお世話になっているブルボン。鷲の珈房でもいくつか採用している品種で、非常に甘味のバランスが良い印象です。

⑨ゲイシャ

■起源:1931年にエチオピアのゲシャ村の近くで発見され、1932年にケニアに持ち込まれた。中央アメリカでは1950年代にコスタリカで栽培が始まり、1963年になってパナマに導入された。2000年代になって、ゲイシャと名付けられたこの品種は、スペシャルティコーヒーの世界で注目を浴びるようになった。
■生産国:パナマ・コロンビア・コスタリカ
■味わいの特徴:香りの輪郭がはっきりしていてフローラル系の複雑で洗練された香り。紅茶のようなサラッとした口当たりで、柑橘系、ベリー系の香りがある。

ついついゲイシャという文字を見ると反応してしまいますよね。いつか鷲の珈房でも記念コーヒーなどで焼いてみたい品種です。

⑩パカス

■起源:ブルボンからの突然品種、エルサルバドルで発見
■味わいの特徴:ブルボンに似た香りと味わい

ブルボンよりも病気に強く、味わいもブルボンに似た印象です。

⑪パカマラ

■起源:エルサルバドル国立研究所によって生まれた品種、パカス×マラゴジッペ
■生産国:エルサルバドル、メキシコ、ニカラグア、コロンビア、ホンジュラス、グアテマラ
■味わいの特徴:複雑な香り、心地よい酸味

パカスより生産性が高い、フィルターコーヒーに向いている

⑫ビジャボロス

■起源:コスタリカ産ブルボンからの突然変異種
■味わいの特徴:豆本来の香味特性が良い

⑬ビジャサルチ

■起源:ブルボンからの突然変異、コスタリカのサルチの町近くで発見された
■味わいの特徴:酸味と甘みがあり、クリーン

酸味が心地よい印象だったと思います。

⑭カトゥーラ

■起源:ブルボンからの突然変異種
■生産国:コロンビア、コスタリカ、ニカラグア、ブラジル
■味わいの特徴:コロンビアで人気、一般的にクオリティはブルボンより低い

クオリティは少し下がるものの、やはり生産性が良いため見かける頻度の高いような気がします。

⑮ムンド・ノーボ

■起源:1940年代にブラジルで発見、スマトラ×ブルボン
■味わいの特徴:個性豊かな風味がブラジルで人気、甘味が弱いこともある

⑯イカトゥ

■起源:1985年ブラジルで生まれた人工交配種、(アラビカ×コフィア・カネフォーラ)×ムンド・ノーボ×カトゥアイ
■味わいの特徴:ロブスタ種が入っているためグレードは中級クラス

⑰ティピカ

■起源:アラビカ種の中で最も古い品種、この種からの突然変異種や交配によって数多くの品種が生まれた
■生産国:ほとんどの生産国
■味わいの特徴:複雑な香味が広がる

ティピカは生産性が低いため最も古い品種ながら見かけることが少ない品種だと思います。2023.6現在、販売しているホンジュラスはティピカですので、気になる方は是非試してみてください。

⑱SL28

■起源:1935年にケニアのスコット・ラボラトリーによって発見・開発、ブルボン・エチオピア原種に近い品種
■味わいの特徴:際立つ酸味・ベリー系

カフェでケニアの品種がSL28だとテンション上がりながらオーダーしてしまいます。圧倒的な華やかさがあると思います。

⑲SL34

■起源:ケニア中央部、カベテ地区のロレショ農園で栽培されたブルボンの突然変異種
■味わいの特徴:豊かな香味

SL28よりも生産性が良いためか、ケニアの品種を見ると混在していることもよく見かけます。こちらも非常に香りが良い印象です。

⑳ブルボン・ポワントゥ

■起源:ブルボンからの突然変異種
■生産国:マダガスカル
■味わいの特徴:コフィア・アラビカの品種の中で最もカフェイン量が少ない

Heirloom エアルームについて

英語でコーヒーの原種、在来種を示す語で、コーヒーが人の手によって持ち込まれなかったエチオピアのみで用いられる言葉である。コーヒーの木は森の中で自然に育つため、収穫物に混在する品種の1つ1つを識別することは容易ではない。そのため生豆のバイヤーも焙煎職人も、エチオピア原種全体を「エアルーム」と呼んでいる。

まとめ

まとめ

品種は、お米で例えるとコシヒカリなどにあたるもので、同じ品種でも生産地によって味わいは異なる。標高や、気温・湿度など全ての要素が影響するため、国によって生産に向いている・向いていない品種が存在する。

アラビカ種のもっとも古い品種はティピカで、そこから突然変異で生まれたのがブルボン。このブルボンから数多くの品種が生まれており、ブルボン系は甘味が特徴でもある。

エアルームは、エチオピア原種全体を指す言葉であり、無数の区別が難しい品種をまとめて呼んでいる。

コーヒーの品種はいくつご存じでしたか?

改めて何の品種から派生したものかと知るだけでも、面白いものですよね。是非、参考にしてみてくださいね。

参考にした書籍を載せておきますので、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

それでは、よいコーヒーライフを。

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