コロナ禍もあり、焙煎を始めたい人が増えていると思います。
焙煎機の種類や、焙煎の流れ、失敗しない焙煎方法など、僕自身が焙煎をスタートする時に悩んだこととその答えをまとめてみたので、是非参考にしてみてください。
最終的に副業を目指す方もおすすめな内容です。
・予算いくらで焙煎を始められるのか
・焙煎のメリットとデメリット
・焙煎機の種類
・失敗しない焙煎方法
・生豆の購入方法
・始めてから必ずぶつかる壁
自家焙煎はいくらから始められる?
結論から申し上げると、何もお金をかけずに焙煎を始めることも可能です。
ただ、お金をかけるほど本格的な焙煎を安定して行うことが出来ます。
0円から始める:「フライパン焙煎」「手鍋焙煎」
とにかく焙煎をやってみたい!という方は、
「フライパン焙煎」「手鍋焙煎」から始めてみてはいかがでしょうか?
自宅にあるフライパンを使って、炒め物をする要領で焙煎が可能です。
5,000円以下から始める:「手網焙煎」
アウトドアでも焙煎を楽しみたい方は「手網焙煎」がおすすめ。直火でワイルドな焙煎ができるのが特徴で、形状的に蓋がされるので、豆が飛び散ることがなく安心です。
1万円から始める:「手回し焙煎機」
少しなら初期投資にお金をかけても良いという方は、「手回し焙煎機」がおすすめです。
くるくるとハンドルを回しながら楽しく焙煎が出来ますよ。
おすすめは、手回し焙煎からのスタートです。おすすめな理由は別の記事からご覧ください。
10万円から始める「家庭用電動焙煎機」
しっかりお金をかけて始めてみたいという方は、
「電動焙煎機」を検討しましょう。
家庭用電動焙煎機の相場は10万円ほどで、安定かつデータも取れるため、非常に効率的です。
焙煎のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
①コスト抑えられる ②いつでも新鮮 ③自分好みに出来る ④周りに喜ばれる | ①部屋がコーヒー臭に ②光熱費がかかる |
メリット①
普段のコーヒーのコストを抑えられる
スペシャルティコーヒー豆を購入すると100gあたり500円~800円で購入できます。
生豆の状態なら、ある程度クオリティの高い豆でも100gあたり200円~300円ほどで用意出来ます。普段の出費が半分~3分の1で済むと考えると圧倒的にお得です。
メリット②
新鮮なコーヒーをいつでも楽しめる
コーヒーは鮮度が非常に重要です。自家焙煎なので、コーヒー豆がなくなるタイミングを逆算して焙煎していくことで、新鮮な豆をずっとキープすることが出来ます。
メリット③
自分好みに仕上げることが出来る
コーヒーショップによって、焙煎度合いやその豆に対してのアプローチはそれぞれなので、好みじゃない場合もあると思います。
「もう少し深めなら良かった。」
「エチオピアなら朝煎りが好きなのに。」
ということがなくなります。
少しずつ調整しながら自分好みにどんどん近づけていきましょう。
メリット④
プレゼントすると喜ばれる
僕が一番嬉しいと感じたメリットです。友人の誕生日にプレゼントしたり、家族に定期的に送ってあげたりすると想像の3倍喜んでくれます。
料理をする人は多くとも焙煎をする人は一般的には少ないからです。是非おすすめです。
デメリット①
1日中部屋がコーヒーの香りに包まれる
焙煎中は、中々な量の煙が出るので換気扇は必須です。ただ、換気扇の真下で焙煎を行っても部屋中がコーヒーの香りに包まれるので、洗濯物やベッドなどにも匂いがつきます。
リビングとは別の部屋に換気扇を取り付けて焙煎するのもおすすめです。
デメリット②
手間と時間、光熱費がかかる
焙煎には手間暇がかかります。さらに、コーヒー豆自体の金額は抑えられますが、焙煎前に比べて光熱費は上がります。家族にはひとこと伝えておくのが良いでしょう。
焙煎度合いについて
焙煎度合いは次の8つに分類されます。
下にいくほど焙煎が深く色が濃くなります。
1. ライトロースト
ほんのり焦げ目がついている状態。テストローストで用いられる。この状態で飲むことは少ないでしょう。
2. シナモンロースト
シナモン色に焙煎した状態。かなり朝煎り。
3. ミディアムロースト
朝煎りと呼ばれる状態。酸味が心地よく、朝にもぴったり。
4. ハイロースト
中煎りと呼ばれる状態。バランスが良い。
5. シティロースト
中深煎りと呼ばれる状態。酸味を少し抑えて甘さを感じる。
6. フルシティロースト
シティよりやや深煎りの状態。酸味が少なく、甘さが強い。
7. フレンチロースト
深煎りと呼ばれる状態。ミルクにも負けないコーヒーの個性。
8. イタリアンロースト
最も焙煎が進んだ状態で色は黒に近い状態。苦味を楽しむ。
焙煎の流れ~5ステップ~
焙煎の流れを見ていきましょう。
焙煎の工程は大きく5つのステップに分かれます。
まずは、豆が持つ水分をしっかりと抜くことから始まり、ふっくら焼き上げていくという流れです。
豆を焙煎機に投入してすぐは、豆の水分を抜くことから始まります。生豆は乾燥されていますが、水分はしっかり含んでいます。この水分をしっかり抜くことでクリーンな味わいになります。
水分が抜けてくると徐々に色がイエロー(ゴールド)に変わってきます。これは、水分が抜けたことでメイラード反応・カラメル反応という化学反応が起こり始めている状態です。豆温度が約150℃のイメージ。
さらに色づいてきて、豆温度が180℃を超えてくると、パチパチとハゼ(爆ぜ)が起こります。内部の水蒸気やガスが一気に爆発して外に出ようとするためです。変化が早いため、少し火力を抑えると良いでしょう。
1ハゼを終えて少し時間をあけると、ピチピチと1ハゼよりも細かい音の2ハゼが始まります。ここまでくると深煎りと言える状態になっているので、良きタイミングで仕上げましょう。
焙煎が終わったらすぐさま焙煎機から豆を取り出して冷却していきましょう。火を止めてもそのままでは、どんどん焙煎が進んでいってしまうので注意です。触れるほどになったら冷却完了です。
焙煎する上での注意点 3つ
美味しいコーヒーにするための注意点を3つ挙げておきます。
均等に熱を加えることができているか
焙煎で非常に重要なのが、ムラを作らないことです。「こっちはまだ焼けていないけど、あっちは丸焦げ」なんてことになると美味しいコーヒーではなくなります。しっかり豆を素早く撹拌させて熱が均等に行きわたるようにしましょう。
ハゼは起こっているか
厳密に言うと必ずハゼを起こさないといけないわけではありません。ただ、ハゼが来ない原因として、与える熱量が足りていないことが挙げられます。
つまり化学反応を起こせていないことに繋がるので、本来の美味しさを引き出せていないことになるので、しっかり火力を調整してハゼを起こして焙煎を進めましょう。
水洗いはしない
「水洗い焙煎」というものがあります。生豆を一度洗って乾燥させてから焙煎するというやり方です。
これをすると焙煎に時間がかかってしまうことや、水分が抜けきれていなくてぼやけた印象になりがちです。コーヒー豆は精製所で洗いにかけられるので、美味しさを保つのにもう一度洗う必要はありません。
上手に焙煎できない理由 3つ
「焙煎をして飲んでみたけど美味しくない」
こんなことありませんか?
僕も何度も経験がありました。次の3つを意識するだけで解決することが多いので是非試してみてください。
①豆の水分を抜くことを意識する
味わいとして、水っぽい感じや生臭い感じがしたら水抜きが出来ていないことが原因です。
例えば、お肉も強火でサッと焼いた場合、外はこんがりしてるけど中はレアなんてこともありますよね。
これがコーヒーでも起きています。
今までよりも水抜きの工程を弱火にしてじっくりと、お肉に火を入れていくイメージで焙煎していきましょう。
②香りを作るフェーズを意識する
なんかぼやっとした味わいで美味しいと感じにくいなら、1ハゼが始まったあたりから香りと味わいを作るフェーズだと意識してみましょう。
このフェーズに入ると、水分はかなり抜けているので火の通りが非常に早いです。少し時間をかけてゆっくりと化学反応を起こさせるイメージで、焙煎をしてみましょう。
③豆の状態・品質を見直してみよう
上の2つを改善してもなんだかパッとしない。
生豆の品質はどうでしょうか?
とりあえずで安い豆を購入していませんか?
スペシャルティコーヒーを購入しましょう
コーヒーも果物なので、何年も前に収穫されたものであれば香りは落ちますし、品種やその年によって出来も違います。スペシャルティコーヒーならいつ、どこで、誰か作った、どんな品種か明確です。
次で、おすすめのクオリティの高い豆の購入先を紹介するので是非チェックしてください。
生豆の購入方法 3選
大前提として、スペシャルティコーヒーを購入しましょう。
ものすごく深煎りが好きという方は別ですが、現在購入して飲んでいる豆はスペシャルティコーヒーの可能性が高いので、豆のクオリティは高いに越したことはありません。
①WATARU
コーヒー商社のWATARUさん。
スペシャルティコーヒー専門で最低5㎏からの取り扱い。
少々業務用向きではありますが、非常に品質の高い豆を取り揃えています。
②GREEN COFFEE STORE
アメリカの生豆販売会社の日本代理店GREEN COFFEE STOREさん。
こちらもスペシャルティコーヒー専門ですが、
最低1㎏から購入出来るので何度か同じ豆で焙煎してみたい方には非常におすすめ。
③珈琲問屋
関東に店舗も構えている珈琲問屋さん。
最低購入単位は、100gからと一番気軽に購入可能。スペシャルティコーヒーから、少しランクの低いプレミアムコーヒーまで取り扱い。
楽天からも購入可能なので、ポイントで気軽に購入してみましょう。
さらに詳しく書いた記事がこちら↓↓
自宅焙煎で必ずぶつかる壁 3つ
①排煙問題
焙煎度によっては相当量の煙が出るため、
排煙設備は必須です。
換気扇の下で出来れば問題ありませんが、匂いの面などから別の部屋でする場合は、換気扇を新たに取り付けたり、送風機で排出したりしないといけません。
②美味しいの基準が分からなくなる
何度も焙煎を重ねていると何が美味しいか分からなくなってくると思います。僕自身がまさにそうだったので、対処法をご紹介します。
焙煎を一旦お休みする
焙煎を始めると取りつかれたように毎週毎週、義務のように豆を焼き続けてしまっていませんか?
一度、お休みしましょう。
これがきっかけでコーヒーを嫌いになっては元も子もありません。心を豊かにしてくれるコーヒーの魅力に惹かれたはずです。
初心に戻れるように、まずは焙煎をお休みして、また気が向いたら始めてみましょう。
その時に美味しいと思えるコーヒーを基準にするとあなたの美味しいがぶれないはずです。
コーヒーショップから豆を購入して飲む
どれも美味しいと感じたり、どれも美味しくないとも感じたりするなら、他のコーヒーショップで他人が焙煎した豆を飲んでみてはどうでしょう。
自分の焙煎は、酸味が強すぎるのか、苦味に偏りすぎているのか、俯瞰で自分を見つめてみると答えが見えてくるはずです。
おすすめのコーヒーショップなので
是非悩んだときは見てみてください↓↓
③焼きすぎて豆が余ってしまう
非常に嬉しくも、もどかしい悩みですよね。
良い解消法が2つあります。
友人や職場の人にプレゼントする
最初のメリットにも記載しましたが、これは本当に喜ばれます。コーヒー好きな相手ならミルも持っていると思うので、そのまま袋に入れて渡すだけです。
誰かが喜んでくれるだけでも、もっと焙煎を極めてみようと頑張れますよ。
販売を始めてみる
ひっそりとネットショップで販売を始めてみるのも1つです。何年も焙煎したプロだけが販売できるわけではないので、気軽に考えてみましょう。
逆に考えてみると、
焙煎を始めた方のコーヒーって気になりませんか?
僕も何度も個人で販売をしている方から購入したことがあるので、副業なんて大それたものでなくともネットショップで販売を始めてみましょう。
香取慎吾さんがCMをしているBASEは、
非常に手続きも簡単なのでおすすめです↓↓
焙煎後の保管方法・賞味期限
美味しく焙煎した豆も、適正に保存が出来なければ宝の持ち腐れですね。
保管方法と、美味しさの賞味期限をみていきましょう。
豆のままの状態で、空気と触れ合うのを避けよう
常温で保管する際の注意点は、豆の状態のまま空気を避けることです。
空気と触れ合うことで徐々に酸化が進んでしまうため、美味しい酸味が嫌な酸味に変化します。俗に言う「嫌なすっぱさ」です。
豆を挽くと、空気と触れ合う表面積が増えるので、酸化が早く進行してしまいます。
日光もなるべく遮った方が良いので、直射日光の当たらない場所で、密閉できる容器に入れて保管しましょう。
イメージは下のようなキャニスター↓↓
エイジングとは
コーヒーは焙煎した直後は、新鮮なのですが美味しくありません。余分なガスが抜けきっていなかったり、朝煎りであれば寝かせることでより美味しさが際立ってきます。
この寝かせることがエイジングです。
深煎りなら3日~1週間ほど、朝煎りなら2週間ほどエイジングに要します。
エイジング後は冷凍保存がおすすめ
美味しい状態になって飲み切れない場合は冷凍保存しましょう。冷凍なら数か月は美味しい状態をキープ出来まず。
注意したいのが、冷蔵ではなく、冷凍です。コーヒー豆は多孔質(空洞がたくさんある状態)なので、冷蔵庫の食材の匂いが移ってしまいます。
焙煎度合いで賞味期限が違う?
焙煎度合いで飲み切る期間を変えましょう。
コーヒー豆なら全て賞味期限が同じということはないので、注意するようにしましょう。
賞味期限
朝煎りなら、3週間~2か月以内
深煎りなら、2週間以内
美味しさのピーク
朝煎りなら、エイジング3週間後
深煎りなら、エイジング1週間~10日後
自家焙煎の始め方まとめ
・自家焙煎は0円から始められる
・焙煎豆を購入するより圧倒的に安い
・焙煎機の中でも、まずは手回しがおすすめ
・適正な熱を加え、均等に熱を加えること
・失敗しないために、水抜きをしっかり行い、
1ハゼ後はゆっくり香りを形成する
・生豆はスペシャルティを選び、
珈琲問屋で100gから購入してみましょう
・保管は密閉容器に入れて、
長期間飲まないなら冷凍保存する
・焙煎豆が余るなら、
プレゼントや販売を始めてみましょう
焙煎をスタートさせて、よいコーヒーライフを送ってください^^